ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

それが廃れることがないレーベルだ。That's the one label that never goes out of style.

第117号『セックス・アンド・ザ・シティ
原題「SEX AMD THE CITY」

アメリカ映画 上映時間145分
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(健、同期の五郎の送別会(と転勤祝い)をしている。)

 健:五郎、いよいよバンコクに転勤だなあ! 5年間頑張れよ。
   入社式の後、お前にはじめて会った日の飲み会で、俺たちは誓ったよな、
   “流行は変わる。だけど、友情は廃れることはない。”と。
五郎:…(元気のない五郎)
 健:お前、本当に夏に弱い男だなぁ!
五郎:冬のほうが良いんだ! でも、おれの人生は一面冬景色で…。
 健:五郎! 人生は厳冬ばかりじゃないよ。“冬来たりなば春遠からじ”の言葉通り、
   灼熱のバンコクにも、お前の好きな冬が巡り来るさ!
五郎:そうか、バンコクにも四季があるんだ! 健、ありがとう!
 健:…!

君はこの辺りの出身じゃないね。You're not from around here, are you?

第116号『インディジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
原題「Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull」

アメリカ映画 上映時間124分
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(東北の地方都市のホテルに深夜到着した健と奈緒。ホテルのレストランは既に閉店。
 自販機も見当たらない。)

 健:奈緒、ビールを探してくるから、このあたりで待っててくれる?
奈緒:(不安そうな声で)健ちゃん、早く帰って来てよ!一晩くらいビール飲むのを
   我慢すればいいのに!

(ふと一軒の赤提灯を見つけ、飛び込む健。)

  健:すみません。お金、余分に払いますから、ビールを売ってくれませんか?
マダム:(酩酊気味で)あら、あんた地元の人じゃないわね。
  健:列車が遅れ、いま東京から着いたばかりなんです。ホテルのレストランはもう
    閉店だし、販売機も見つからないもんで。
マダム:まあ、可哀想ないい男! 私が朝起きた時、側にいてくれるって約束するなら、
    ビールは好きなだけ持って行って良いわよ!

(言葉が出ない健。)

何をイライラしているんだい?What's eating you?

第115号『ジュノ』
原題「Juno」

アメリカ映画 上映時間96分
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奈緒ママ:奈緒、もう少しゆっくりして行きなさい。まだ話は終わっていないのよ。
  奈緒:健ちゃんと7時の約束なので、もう帰るわ。今夜は外食するの。
奈緒ママ:しようがないわねえ。では一言忠告。仕事と結婚、両立させることは
     出来ませんよ!

(駅の改札口で待ってる健。奈緒、不機嫌な顔でやってくる。)

 健:奈緒、遅かったなあ、お前が遅刻するなんて珍しい。
   さあ、なに食べたい? 俺は腹ぺこなんだ。
   今夜は鯨飲馬食するぞ!
奈緒:どこでも良いわ。
 健:何でイライラしてるの?
奈緒:少し黙ってて、虫歯がちょっと痛いの!
 健:そうか、ごめん、ごめん、わかった。俺の家でお粥でも作って食べよう!

君はこの辺りの出身じゃないね。You're not from around here, are you?

第116号『インディジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
原題「Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull」

アメリカ映画 上映時間124分
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(東北の地方都市のホテルに深夜到着した健と奈緒。ホテルのレストランは既に閉店。
  自販機も見当たらない。)

 健:奈緒、ビールを探してくるから、このあたりで待っててくれるかい?
奈緒:(不安そうな声で)健ちゃん、早く帰って来てよ!一晩くらいビール飲むのを我慢すればいいのに!

(ふと一軒の赤提灯を見つけ、飛び込む健。)

  健:すみません。お金、余分に払いますから、ビールを売ってくれませんか?
マダム:(酩酊気味で)あら、あんた地元の人ではないわね。
  健:列車が遅れ、いま東京から着いたばかりなんです。ホテルのレストランはもう閉店だし、
販売機も見つからないもんで。
マダム:まあ、可哀想ないい男! 私が朝めざめたら、側にいてくれると約束するなら、
    ビールは好きなだけ持って行って良いわよ!

(言葉が出ない健。)

まず大切なことを片付けてから。First things first.

第114号『ジュノ』
原題「Juno」

アメリカ映画 上映時間96分
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部長:健、頼んでおいたレポート、もう仕上がってるだろうな!
 健:あのぉ…数日以内に完成させます!
部長:お前はサラリーマンのイロハも知らないな。重要なことは最初にやれ。
   昨夜は巨人・阪神戦を見に行っただろう。負けるに決まっているジャイアンツと
   レポートとどっちが重要なんだ! 物事には優先順位というものがあるだろうが!

(怒りの収まらない部長)

 健:ぶ、部長、お誕生日はいつでしたかねえ?
部長:馬鹿! お前が俺の定年退職を心待ちしてるのは分かってるんだ!
   悪かったなあ、社則変更で、定年延長が決まったんだ!
 健:…! (絶望で顔面蒼白となる。)

(計画実行まで)もう少しよ。 We are almost there.

第113号『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
原題「CHARLIE WILSON'S WAR」

アメリカ映画 上映時間101分
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(健の両親との待ち合わせ場所に急ぐ健と奈緒。)

  健:奈緒、急ごう! うちのオヤジは時間にうるさいんだ!

(健の携帯に着信音。)

  健:ほら、せっかちな親父からの電話だ。俺はこんな年寄りにはなりたくないよ! 

(携帯電話をとりだし)

  健:もう間もなく着きます!

(タクシーを呼び止め)

  健:運転手さん、チップをはずむから急いでください!
運転手:お客さん! まだ行き先聞いてませんよ!

(約束の店に到着。)

 健パパ:やっと来たか! そんな事はどうでも良い。 嬉しいよ!お前さっき、
     確かに、“もうすぐです!”と言ったよな。結婚の日取りが決まったんだね!
健と奈緒:…?

45年なんてあっという間だな。 45 years go by pretty fast.

第112号『最高の人生の見つけ方
原題「THE BUCKET LIST」

アメリカ映画 上映時間97分
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(西麻布の瀟洒なダイニングバー。田中部長と健の二人。)

部長:ボリビア大統領はお前の仕事ぶりを絶賛していたぞ。お疲れさん。俺も鼻が高いよ!
   今夜は会社持ちだから遠慮なく飲んでくれ。

(突然しんみりする部長。)

部長:君は映画好きだそうだなあ? 「ジョー・ブラックをよろしく」に主人公のこんな
   セリフがあったよ。“65年、一瞬のうちに過ぎ去るものだね?”
   この場面は秀抜だった! 思い出しただけで涙がでてくるよ。
 健:ジャックニコルソンの「最高の人生の見つけ方」には、“45年は疾風のごとく
   過ぎ去る
”というセリフがありましたよ。
   あの~…、部長どうかされましたか?
部長:うん、今度の誕生日で、定年退職することになったんだ。
 健:冗談でしょう。部長は役員に昇格か、子会社の社長就任間違いありませんよ!
部長:今日、社長に宣告された。役員の定員は縮小、子会社は赤字続きなので廃業すると。
 健:…!
部長:外は雨か、近頃は季節の移り変わりが早くなったなあ!