ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

You wanted to see me? 私に御用?

第9号『ニューオリンズ・トライアル』原題「Runaway Jury」

アメリカ映画 上映時間128分
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(健のアパートで食事をした二週間後、健は奈緒のアパートを訪ねる。)
健 :ハイ!奈緒。元気かい? この間の料理はうまく出来ただろう、おいしかった?
奈緒私に御用? 私には誰かいい人(男性)紹介してくれないの?
健 :なんだ、まだボブとの会話のことを怒っているの? もう忘れてよ。
奈緒:あら、健。もう怒ってなんかいないわ。怒ってる振りをしていただけよ。
健 :じゃあ、良かった。ところでバレンタインデーにはすてきなセーターを有難う。
           ほら、着てみたよ。どうだい?
奈緒:そのセーター、あなたにとってもよく似合うわ! 
           グリーンのタートルネックにトナカイの顔の絵柄、かわいいでしょ。
健 :何かの映画で同じものを見たような気がするけど。
           有難う。これを着るたびに君のことを思い出すよ。
           ところで、ホワイトしてくれるデーには何か欲しいものある?  
奈緒:健、さぁねぇ…何を選んでもいいの?
健 :うん、君次第だよ。こんなすてきなものを貰ったことだし、遠慮しないで欲しいものを
           言ってみて。
奈緒:私、銀座にあるブルーの箱に白いリボンで包装してくれるお店が好きなの。
           そこに以前から欲しいものがあるけれど、今度ご一緒してくれる?
健 :(ギョッとして)それって、もしかしてTのイニシャルのつくお店?他のお店じゃいけないの?
奈緒:う…ん、まあ、あなた次第だけどね。