ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

彼女のことはほとんど知らない。I hardly know her.

第16号『コールドマウンテン』原題「Cold Mountain」

アメリカ映画 上映時間155分
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(東京品川、高層ビルが建ち並ぶ。そんな高層ビル内のゴージャスなオイスターバーにいる健と奈緒
 そこに若い外国人の男女が入ってくる。)

ウエイター:申し訳ございません、ただ今満席でございます。
  外人男:かなり待ちますか?

(入り口近くの座席の健達)

  健:良かったらご一緒にどうぞ!
外人男:お邪魔じゃないですか?(いいえ、どうぞ。)
    ありがとう。あなた達二人に会えてよかった!

(喜々として座る二人)

    妹です。あなた達はお似合いのカップルですね。
  健:有り難う。妹さん、凄い美人ですね!モデルさんか映画女優でしょう!

(健、奈緒の事を忘れたように話に夢中)

外人男:ああ、もう行かなくちゃ!
  健:もうお帰りですか? ここは私に持たせてください。

(礼を言って立ち去る二人)

 奈緒:健ちゃん、やり過ぎよ。貴方、あの娘と知り合いになろうと思ってるん
    でしょ。
  健:おいおい、俺は彼女の名前も知らないし、彼女の事は殆ど知らないんだよ
 奈緒:私がトイレに行ってる間にデートの約束でもしたんじゃないでしょうね!
  健:奈緒はこんなに焼き餅焼きだったの知らなかったよ!
    ところで、俺、財布空っぽだ。
 奈緒:もう、知らない!