ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

考えをまとめようとしているんだ。I'm trying to gather my thoughts.

第110号『フィクサー
原題「Michael Clayton」

アメリカ映画 上映時間120分
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(健の事務所。部屋の時計は終業の5時間近。)

部下:健さん、何やら嬉しそうですね!
 健:うん、まぁね。久しぶりに奈緒とデートなんだ。さあ、今日はこれでおしまいだ!

(その時社内電話がなる。渋々受話器を取る健。)

部長:健、至急おれの部屋まで来てくれ。
 健:部長、すみません、今夜は約束があってもう退社するところなんですよ。
部長:そうか、それは残念だなあ。じゃあ、他の者にするかな? 
   うん、たいした話では無いけどね、誰か一人課長に推薦しなくては
   いけないんだよ。
 健:…!
部長:健、おれは忙しいんだよ、早く返事をせんか!
 健:ぶ、ぶちょう、ちょっと待ってください。考えをまとめようとしてるんです。
   課長に昇進しても残業代はでるんでしょうね!

(部長、電話を切りながら)

部長:この男、見込みないな。ハンバーガーの食いすぎに違いない。