ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

何に手間取っているの?What's the holdup?

第153号『ラブリー・ボーン
原題「The Lovely Bones

アメリカ・イギリス・ニュージーランド合作映画 上映時間135分
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(タクシーの中の健と部長。 車窓から華やかな銀座の街を眺めながら。)

 健:部長の定年の日が迫って来ましたね。本当に寂しくなりますよ!
部長:嘘つけ! みんな俺の退職を心待ちにしてるんだろ?

(車の流れがピタッと止まる。)

部長:この渋滞は何だ? 事故でもあったのかな? 

(イラついてくる部長)

 部長:まさか銀座のど真ん中で銀行強盗が起きたんじゃないだろうね、運転手さん!
運転手:お客さん、こんな不景気じゃ、何が起きても不思議じゃないですよ。
 部長:そうか。健、俺はここで降りるよ。お前はどうする?
  健:…?

(ますますイライラする部長)

 部長:決断力がないなあ、お前は! 奈緒ちゃんとのことも何をもたもたしてるんだ?

(タクシーを降り、ドアをバタンと閉める)

健:…!