ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

あれは不適切だった。That was out of line.

第154号『新しい人生のはじめ方』
原題「Last Chance Harvey」

アメリカ映画 上映時間93分
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秘書:健さん、部長がお呼びですよ!
 健:何だ、あの爺さんまだ生きていたのか!もう退職して、会社には出てきていないと
   思っていたのに!

(部長室をノックする健。気持ち悪いほど優しい声で、“どうぞ”の部長の声。)

部長:健、この前は悪かったね! 不適切な事を言ってしまった。
   退職の日が迫っていたので、イライラしていたんだ。
 健:(にこやかに)部長にお仕えして満10年。部長の一言多いのには慣れていますよ。
   何とも思っていませんからご安心を!
部長:有難う、健! お前は思っていた通り、男の中の男だ! 
   実はなあ、喜んでくれ。今日、辞令が出て、俺は子会社の社長に栄転となった。
   よし、決めた!お前を子会社に連れて行く。
 健:(狼狽する健)ぶ、部長ちょっと待ってください!そんな一大事、奈緒と相談しなくては
   いけません!
部長:(顔を真っ赤に怒り出し)何だと! やっぱりお前は決断力のない男のクズだ!
 健:…!