ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

我々は後戻りしない。We are not turning back.

第161号『グリーン・ゾーン
原題「Green Zone」

アメリカ映画 上映時間114分
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(神楽坂の品の良いフレンチレストラン。大学同期の啓子と向かい合ってる奈緒
 真剣な面持ちの啓子。)

啓子:わたし、後にはひけないわ!
奈緒:“後にはひけない”って、突然何よ!
啓子:先週の日曜日に、彼、両親に挨拶に来てくれたの。
   彼、背が高く、役者顔負けのいい男でしょ。両親は大喜び。
   もう帰るという彼を無理矢理引き留め、うちに一晩泊まらせたのよ。
奈緒:羨ましいわ。あなた最高に幸せじゃない!
啓子:それがね、彼の洋服をハンガーに掛けようとしたら、新しい携帯がポロリと出てきたの。
   見たことのないスマートフォンだったから、好奇心からあちこち触っている内に
   見てしまったのよ、メールを!
   受信メールがだぁ~と並んでいて、その一つが目に飛び込んできたの、
   胸を大きく開いた女の写メがね。“あなたとは絶対別れない”って。
   彼、わたし以外の女がいるのよ!
奈緒:落ち着きなさいよ!メールの上の方に、“いまなにしてる?”という文字が入ってたでしょう?
啓子:そ、その通り、どうして分かったの?
奈緒:それはね、ソーシャルメディアの1つで、Twitter というものなの。
   結婚式を挙げる前に、彼に Twitterの仕組み教わったら?
   彼は知らない相手をフォローしていただけよ。
啓子:(にっこり笑って)ツイッターか。オドロイッター!