ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

タイミングが私の弱みだ。Timing isn’t my strong suit.

第180号『英国王のスピーチ
原題「The King’s Speech」

イギリス/オーストラリア合作映画 上映時間121分
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(健の部署の歓送迎会)

 健:上條君はわが部に来てはや5年。 明日から関西支社に栄転となった!
   そして、こちらの美人の新戦力社員は三上愛さん!上條君の業務を引き継いでくれる。
   では、上條君、一言挨拶してくれたまえ。
上條:人前で話すのが得意じゃないんですが、最後にひとつだけお願いがあります。
   三上さんの隣に座らせて欲しいんですが!
 健:お安いごようだ、さあ行け!

(お開きになり、それぞれ帰途につく。)

 健:三上くんも東京駅でいいのかな?

(山の手線ホームに向かう三上嬢。)

 健:おい、上條、三上さんとたっぷり話し出来たかい?
上條:必死になって話しかけようとしたんですが、一言も! タイミングが掴めないんです!
 健:どうしょうもない男だな! 最後のチャンスだ、彼女を追いかけろ!行け!

(上條、山手線に猛ダッシュ。ドアが締まり発車する山手線。)