ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

俺を待たせてもいいけれど、君を待ちぼうけにさせるなんて…。 He can stand me up, but he can't stand you up.

第190号『リメンバー・ミー
原題「Remember me」

アメリカ映画 上映時間113分
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(母校の公開古典講座を受講している奈緒と友人の知子。
 午前の前半の講座が終わり、後半の講座を待っている。) 

知子:専任講師の城崎先生の講座、良かったわね!万葉集の朗読の美しさ。
   綺麗な先生だから、惚れ惚れするわね!
   大学の先生の条件は学識の高さだけではないわね~!
奈緒:その通りよ。先ず、講義の声が大きく、クリアなこと。もっと重要なことは、適度に
   ユーモアがあり、受講者を飽きさせず最後まで引っ張って行く技量ね!
   ところで、次の講座の先生はどなた? 開始時間をとっくに過ぎてるのに、待たせるわね!
知子:名誉教授の兼高先生よ。名誉教授と言えば、かなりのお年だから、今日の講義のこと
   すっかり忘れているんじゃないかしら? (にこやかに笑ってる)
奈緒:忘れるなんて!いくら何でもそんなことあり得ないわ! (いらつき始める奈緖)
知子:昔のことは、すっかり忘れたようね、奈緒
   何度も健ちゃんとの会う約束、すっぽかしたじゃない!
   いま思うと、健ちゃん、そんな奈緖によく我慢できたわね!
奈緒:…!