ショートストーリー「心に残る映画には、もう一つの物語が」

映画のセリフから気に入った「日常英会話」を拾い出しキーセンテンスとして作成した『創作 Short Story』

ほら、また始まった! There you go〔again〕!

第2号『ローマの休日』原題「Roman Holiday」から

アメリカ映画 上映時間118分
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孫娘:ママ、おばあちゃん、どう?(孫娘茶髪で美容院から出てくる。)
母 :あらぁ、いいじゃない。貴女の小さな顔にぴったりだわ、ねえ?
(娘の美しさに眼を細める母親)
祖母:馬鹿言うんじゃないわよ、親子して! その茶色の髪はなによ!
   日本人は黒髪が一番。私が若い時には、黒髪が素敵な神田小町と
      呼ばれていたのよ。
(苦虫をかみつぶしたような顔をして、苦々しく)
母 :ほらまた始まった! 現代は個性尊重の時代よ。
祖母:ああいやだいやだ、見てごらん、あの人は白に染めてるよ!
孫娘:あの人はお年寄りで、白髪なの!(あきれ顔で)
祖母:ああいやだいやだ、歳はとりたくないわ。眼も悪くなったのかしら?

 

簡単だよ! 〔There is〕Nothing to it!

第1号『ローマの休日』原題「Roman Holiday」から

アメリカ映画 上映時間118分
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(銀座のビアホール。飲み会に参加している健と奈緒。初対面。)
奈緒:あなた英文科出でしょ? 
 健:ううん、経済専攻だったんだ。
奈緒:うっそー、信じられない!あなた、英語うますぎるもの。どうやって英会話
   マスターしたの?秘訣は?ねえ、教えてよ。ねえ、ねえ、教えて。
 健:はいはい、まあ落ち着いて。簡単だよ!テキストはアメリカ映画。本物の
   英語を(彼らがなんと言っているか、どんなふうに話しているかを)何度も
   何度も聞いて、暗記する、これを繰り返すだけ。これ、ETMメソードって言
   うんだよ。
奈緒:どのくらいやれば良いの?
 健:一生!
奈緒:え!????
 健:冗談だって。本気なら(意思さえあれば)、一本の映画で十分さ!
奈緒:・・・?!